Q:ウィズ・コロナ期における顧客対応について教えてください(マスク要望編)


Q:現在、緊急事態宣言が解除されて、少しずつ人が動くようになりビジネスも回り始めましたが、クラスター発生や第2波が来ないように感染予防をしながら店舗運営を行う場合、来店されるお客様に対しマスク着用を求める店舗もあるようです。その場合に、注意しなければならないことはありますでしょうか?



A:来店客にマスク着用を求める場合の手法は、2パターンあります。

①マスク着用の"要望”

②マスク着用の”義務化"

です。


あくまでも①の要望は、強制ではありませんので、お客様の考えや生活動態にお任せし、マスク着用のご協力を"お願い”する形になります。よって、店舗側ができるのは出入り口などにポスターや張り紙でマスク着用についてお願い文を掲載するくらいでしょう。


次に、マスク着用を”義務化"する場合は、以下の4点について気をつけなければトラブルが起きる可能性が高いです。

①お客様に対するマスク着用の強要は非常にデリケートな問題であると理解すること

②事前に告知して、着用義務化を知らずに来店をしてしまうお客様をできるだけなくすこと

③マスクを忘れて来店してしまったお客さま用に、配布用マスクを"店側”が用意すること

④何らかの事情によりマスクを着けられないお客様には柔軟に対応すること


①に関しては、法律的にもマスク着用が義務化されていない現下に、

個人の考えや生活動態を無視しマスク着用を一方的に求めるという行為は

反発を生む。ということを理解しなくてはいけません。

一方、マスク着用を”要請される側"もピリピリしている現状があります。

例えば、店側が顧客に要望する入店条件の代表例としては「高級店のドレスコード」でしょう。

しかし、今の時代ドレスコードに文句を言う人はほとんどいません。

ですが、マスク着用を求めると「マスク警察だ!」や「自粛警察だ!」とこの問題については反発をするのは、コロナに対する危機感や認識の違い、自粛期間中にたまったストレス、過去にマスク不着用を注意されたことに対する反発などいろいろな問題が積み重なって拒否・反発している現状があります。

そういった部分にまで理解を及ぼした上で、互いに歩み寄るようなやさしい言い方で、

マスク着用をお願いしないと、トラブルの元になりますので注意が必要です。

「自分のためはもちろんですが、周りの皆様のためにご協力お願いいたします」と笑顔でやさしく言えば、日本人は優しい人が多いですから、"周りの方のためにも”協力してくれるはずです。


②に関しては、マスクを忘れてしまうお客様や普段マスクを持ち歩かないお客様、何が何でもマスクは着けたくない。という反発心を持つ人とのトラブルを避けるためです。自社HPやSNS、広告などで着用の義務化に関しては事前告知することでトラブル発生率を減らすことができます。


③は、マスクを忘れた方へのフォローが必要だからです。マスクを忘れた方に「マスクを着用していない方は入店できません。マスクを取りに帰ってからまたお越しください」ではトラブルになるのは当たり前です。せっかく来たのに追い返される。というのは顧客側からすると、とても頭にくるものです。そういったトラブルをなくすために店側がマスクを用意し、超低額(現在の相場から考えると、店側が持ち出ししつつ10円~20円程度)にてマスクをお譲りし、スムーズに入店いただけるようにする仕組みが必要です。


④に関しては、事情によりマスクが着けられない方が一定数いることを理解しなくてはいけません。例えばマスクをするだけで肌が荒れて真っ赤になってしまう「超敏感肌」の方などです。そういった方に対しては、「店内では必要以上にしゃべらない・ソーシャルディスタンスを守る・できるだけ早く買い物を終える。などを守っていただけるならご入店いただけます」など例外入店を認める柔軟な考え方が必要になります。


また、上記の4つを守れば、絶対にトラブルが起きない。というわけではありません。

ですが、抑えるべきポイントを抑えれば、トラブル発生確率は抑えられますし、

従業員もお客様もお互いが安全に買い物ができる空間を提供できます。

今回のQ&Aの要諦は「お店側はお客様に優しく。お客側は他のお客や店員さんに優しく」そうしてお互いに感染予防をしていく必要性。それがポイントとなります。

経営百科事典 ~経営者向けQ&Aサイト~

経営時のよくある悩みをQ&A形式で紹介。経営者や後継者向け経営事典サイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000